2018-01-01から1年間の記事一覧
あらゆるもののおもては草花らが共有する記憶 われわれが滲透できなかった風景
これはなんだろう つきうごかされてようやっとうごいている先端 というかんじ 蝿につきまとわれて 蝿をおいはらうしぐさをゆめの中でもくりかえしている右手をひらひらさせて 関節を鳴らす、プール しているそれは、死んでしまった野鳩の目目のようであるが …
ぼくの腕は半分 映る水にさしいれてある心象という湿潤のなかで月のようにやわらかな母体を見うしなってあらわれては消える詩人たちのお墓言うことができなくなっていく雨期のようにつめたい、台所で噛みくだいた、あまい梨とかあまい、巨峰は樋をつたう 遮…
そうげんに建てた、しろい建造物の、風にはためく繊毛に、眩しさのあまり暗い、まなざしはからめとられ、規則ただしく、満ちる、けれど、喋らないでいる、全体が、らせんをえがくように、とうめいの、層になって、うちがわから、消える、わたしは、模写して…
ふきぬけのなかで どれだけ剥がしても立ち現れなかった 水差しにまとわりついた影や 宝石をふくめて ひらいた風景はうしろへ うしろへ流れていく だから 椅子にすわる そして 椅子をたたむ 湾曲したこの体が 過去なのか それとも現在なのか いつまでも わか…
ゆめのなかをひらく水辺のような襖だ その先も またその先にも 傾斜したふうけいが見えるねむるようにひたされた草花はいくども 記憶をひきついでそこに生まれまぶたのなかをただよう暈が その色や質感が ただひとりのものでないことに驚く とぎれとぎれの冒…