きのうの雨すごかったね うん、 自転車に乗ってたからぬれちゃった 大変だったね 大変だったよ 風邪ひかなかった? うん、大丈夫だったよ 今日はじめじめするね じめじめ? じめじめっていうのは、湿気が多くて、肌がべとべとすること べとべと?笑 ふーん …
ようやくうけとめたはじまりの つまびらかになっていく いきつくところ ひとつ かぞえきれないほどの碑も いつか国のような草木にとりかこまれ 欠損からしょうじた抱擁 その水勢だけがとりのこされる
水あかりを浴びて バスの窓を閉じるやさしさに帰依することの むずかしさに直面する模倣して得た手や足で さわる 石はまんなかから磨れていく(ほら そういうところだよ)いくさきざきの 軒先でゆれる音色に窒息する
あらゆるもののおもては草花らが共有する記憶 われわれが滲透できなかった風景
これはなんだろう つきうごかされてようやっとうごいている先端 というかんじ 蝿につきまとわれて 蝿をおいはらうしぐさをゆめの中でもくりかえしている右手をひらひらさせて 関節を鳴らす、プール しているそれは、死んでしまった野鳩の目目のようであるが …
ぼくの腕は半分 映る水にさしいれてある心象という湿潤のなかで月のようにやわらかな母体を見うしなってあらわれては消える詩人たちのお墓言うことができなくなっていく雨期のようにつめたい、台所で噛みくだいた、あまい梨とかあまい、巨峰は樋をつたう 遮…
そうげんに建てた、しろい建造物の、風にはためく繊毛に、眩しさのあまり暗い、まなざしはからめとられ、規則ただしく、満ちる、けれど、喋らないでいる、全体が、らせんをえがくように、とうめいの、層になって、うちがわから、消える、わたしは、模写して…
ふきぬけのなかで どれだけ剥がしても立ち現れなかった 水差しにまとわりついた影や 宝石をふくめて ひらいた風景はうしろへ うしろへ流れていく だから 椅子にすわる そして 椅子をたたむ 湾曲したこの体が 過去なのか それとも現在なのか いつまでも わか…
ゆめのなかをひらく水辺のような襖だ その先も またその先にも 傾斜したふうけいが見えるねむるようにひたされた草花はいくども 記憶をひきついでそこに生まれまぶたのなかをただよう暈が その色や質感が ただひとりのものでないことに驚く とぎれとぎれの冒…