ふきぬけのなかで どれだけ剥がしても立ち現れなかった 水差しにまとわりついた影や 宝石をふくめて ひらいた風景はうしろへ うしろへ流れていく だから 椅子にすわる そして 椅子をたたむ 湾曲したこの体が 過去なのか それとも現在なのか いつまでも わか…
ゆめのなかをひらく水辺のような襖だ その先も またその先にも 傾斜したふうけいが見えるねむるようにひたされた草花はいくども 記憶をひきついでそこに生まれまぶたのなかをただよう暈が その色や質感が ただひとりのものでないことに驚く とぎれとぎれの冒…
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